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人材の活用、ネパール人はいかが?(後)
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2011年9月 1日 14:34

  福岡市のホテルで8月30日、国際化支援セミナーが開かれた。そのなかで、人材活用においては中国が、賃金面などで、すでに折り合いがつかなくなりつつあるとして、次なる候補地として、ネパールが挙げられた。

九州大学教育国際化推進室 ポウデル・サントシュ氏 ネパール人の人口の1割が海外に出稼ぎに行き、自国に送金している。その額は名目GDPの2割に及ぶ。しかし、海外からの送金がもたらす経済成長は今のところ芳しい結果を残していないのが現状だという。海外からの仕送りのほとんどが個人投資に終わってしまっていて、起業するとか、自国に産業をもたらすということにつながっていない。ほとんどの世帯が、立派な家を建てたり、個人財産を増やしたりすることに注力し、全体の15%が老後の預金に充てるのだという。ネパール人はよく言えば、倹約家、悪く言えば、野心がないのだ。よって、ネパール政府として、海外からの仕送りが国の経済成長につながるような政策をほとんど打てずにいる。今後は、将来の国づくりに海外からの仕送りを投資させるような政府の政策が不可欠となっている。

 ただ、ネパールの将来性と可能性は十分にある。ネパール人は本質がまじめであり、仕事熱心の人が多い。他国と比べても素直な人種だという。これまでは自然に頼りきりの、昔ながらのやり方で農業に従事していて、インフラもほとんど整備されていない。投資という面では、未開拓の土地なのだ。これまでの日本は、技術研修生と言えば、中国が多かったが、経済発展が著しい中国では、賃金面も折り合わなくなってきている。また、若い人材が少なくなってきているのに加え、都市化が進み、若い世代が技術研修生として、日本に来たがらなくなっているという。そこで、これからの候補として、ネパール人に注目が集まっているという。

 セミナーの後半には、実際にネパール人の技術研修生を受け入れている青果業、縫製業の社長が登壇した。彼らによると、こういった業界は、日本人の若者は見向きもしてくれない業界に成り下がってしまって久しいが、最近では、中国からも若い人が来てくれなくなったという。中国の技術研修生の数に期待が持てなくなった今、新しい候補地として、ネパールは大変魅力的なところだという。青果業の社長は、実際に数人のネパール人を受け入れているというが、勤勉でまじめな国民性なので、これからもネパール人を受け入れたいと話している。

セミナーのようす 人材面で、中国に続く、新たな候補地となりそうなネパール。最後にこぼれ話として、ネパールも日本同様、8月28日に首相が交代したばかりだ。しかもたった3年間で4人目の首相ということで、日本とどこかよく似ている。ちなみに、今回首相になったバブラム・バタライ氏は、ネパールの首相として初めて、ネパール国産の自動車に乗っている市民派の首相だそうで、国民はかなり期待しているという。それまでの歴代首相は、首相になったとたん、海外の高級外車に乗るのが当たり前だったということ、今回のバタライ氏の国産車ネタは、経済成長を期待する国民の目には、とても良く映ったのだろう。

(了)

【杉本 尚丈】

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